4月17日、神原弁護士と一緒に被災地ボランティアに参加いたしました。
今回向かったのは石巻市。
意外なほどに元気な印象をうける市街からわずか1kmほど車を進めると景色は一変します。
今回、被災地に行くにあたり「自分のこの目で見てこよう。」という思いでいたのですが、この目で見ていても、とても現実とは信じられないような光景でした。
市街の様子とのギャップは激しく、そこには明確に境界線があり、津波の被害がいかに甚大であったかを物語ります。
その町並みを眺めながら車は進み、石巻専修大学に到着。
今回、現地でお世話になったNPO“ON THE ROAD”を中心に開設されたボランティアビレッジ。
ボランティア迷惑論が広まる中、被災者の方々に迷惑のかからない形で、広く多く、一般からのボランティアを受け入れる体制が整っています。
ボランティアビレッジは石巻専修大学にテント村を設置。キャンパス内には食糧倉庫、物資倉庫が建てられ、膨大な量の物資の仕分け作業も活動のひとつとなっています。
物資について“ON THE ROAD”理事長の高橋歩さんにお話を伺うと「必要な物資は日毎に変わっていっている。実際送られても困るようなものが届くこともあり、善意なので送り返したりはできないが、やはり限られた人員の中では非常に大変なこと。現場と密に連絡をとり、その時本当に必要なものピンポイントで送れるようなシステムができるといい。」とのことでした。
そして、ボランティア団体の資金不足も深刻とのことで、資金難により被災地から撤退せざるを得ない団体も出てきているとか。
義援金ではなく、直接ボランティア団体へ支援金を送ることも、今とても重要なことです。
また、やはりボランティアの数は不足しており、とくに長期的に滞在できる人材が足りていないとのことです。しかし、短期的でもなんでも、とにかく来てほしいと、高橋さん。
「何かしたいけど何ができるのか、と考えている人も多くいると思うが、何が出来るかわからなくても、ここに来てしまえば何かが出来る。誰も自分に何かできるかなんてやってみなきゃわからない。自分も今でも毎日何ができるのか考えながら活動している。」
今回私たちがボランティア活動として参加した泥撤去作業。一軒に約30名が作業にあたり、ようやく終わるという状況。
その日現地に入った作業慣れしていない私たちだったので余計に時間がかかった、というのも大いにあると思いますが、それでも人はいくらいても足りないのだと、作業後、未だ手つかずの家屋の数々が並ぶ街を歩きながら感じました。
今回被災地に行ってみて、あまりにショッキングな現状に言葉を失い、無力感を感じることが多くありました。
ご自宅が流されてしまった地元のお母さんは、その町並みを目の前に
「山の上で電車と船が並んで倒れてるんだから笑っちゃう。笑うしかないわよ。」
「家を見ると悲しくなっちゃうけど、悲しんでても仕方ないからね。皆さんも頑張ってね。」
と、本当に笑いながら言います。
その言葉と、絶望感を与えるには十分すぎる景色。
力のない漠然とした「どうしたらいいんだろう。」がわたしの頭の中をいっぱいにしました。
しかし、必ず何か出来ることはあるのだと。問題は山積みで、力になれることはそこら中に溢れているのだと今思います。
この先まだまだ長い時間を要する復興に事務所として、また個人として、何ができるか考えながら今後も積極的に行動していきたいと思います。
※未だ浸水の中にある地域も。