桜井誠氏や井上太郎氏など、ヘイト・スピーチの煽動者たちの図書を多数出版する、ヘイト・スピーチ出版社=(株)青林堂は、同社が発行する井上太郎著『日本のために 井上太郎@kaminoishi』の記載をめぐって争われていた名誉毀損裁判において、同著の記載に虚偽があったことを全面的に認めました。それを受け、同社が被害者に対して謝罪した上で、記載を取消し、さらに被害者に賠償金を支払うとの合意が、6月23日、東京地裁で成立しました。主な合意の内容は以下のとおりです。
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1 被告は、原告に対し、被告が出版した書籍である井上太郎著『日本のために 井上太郎@kaminoishi』(以下「本書」という。)において、原告の氏名を含む下記の事実と認められない内容の記載(以下まとめて「本件記載」という。)をしたことを謝罪し、本和解成立日の翌日から60日間、被告のウェブサイト(http://www.garo.co.jp/)上に、別紙記載の要領にて、別紙記載の文章を掲載する。(※実際に掲載された青林堂の謝罪文はページ下部)
記
「しばき隊の野間、常野、木野は三年前の中核派の「外登法・入管法と民族差別なんとか」という鶴見集会にも参加していました。極左公安対象者として写真が残っているようです。」(本書80頁6~7行目)
「入管法改正に反対の中核派と連携するのがコリアNGOセンター。共同行動するのが在日左翼暴力集団の、在日コリアン青年同盟センターアリランです。しばき隊メンバーもいます。東京は大久保の第二韓国広場ビル、文化センターに事務所があります。野間も木野も平野も伊藤も常野も出入りしているところが確認されています。」(本書82頁2~5行目)
2 被告は、原告に対し、本件の解決金として金25万円の支払義務があることを認め、これを平成27年7月23日限り下記の銀行口座に振り込む方法により支払う。
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『日本のために 井上太郎@kaminoishi』の筆者、井上太郎氏は、自身の作品の一部が「虚偽」であったことを出版社が認めたのですから、本来、記者会見を開いて反論すべきしょう。ところが、井上太郎氏は、自身のツイッターなどで、解決金が請求額より低かったこと(訴訟上の和解だから当たり前です)を問題にするだけで、自分の著作の記載が「虚偽」であるとされていることについて、全く問題にする気配はありません。これは、井上太郎氏自身、自身の著作の記載が「虚偽」であったことを認めたことに他ならないというほかありません。
井上太郎氏は、自身の著作の記載が「虚偽」であったことを認めたのですから、まず、虚偽によって名誉を毀損された原告に対して「謝罪」をした上で、二度と本の執筆はしない旨約束し、筆を折るべきでしょう。ところが、彼は、自分の本の記載に「虚偽」があったことを恥じいる様子は微塵も見せていません。彼にとって、自身の著作に書いてあることが「虚偽」であるか、「真実」であるかは、どうでもよいことなのでしょうか。井上氏の態度を見ている限り、そう言わざるを得ません。
問題の著作『日本のために 井上太郎@kaminoishi』は、「日本人でもなく、帰化人でもなく、世界の常識に無い基準の永住者それも朝鮮人という異民族が、全く根拠無く日本に居座り一大社会勢力を作り、日本社会を腐敗に向けて追い込んでいる」「その最終目的は、きっかけは左翼やしばき隊を使い、騒ぎにして、そして売国政治家を手なずけ、一大社会運動に発展させ日本社会を乗っ取り、そこで不安定な半島は避けて日本を食い物にしながら生きようとする魂胆なのです。つまり在日朝鮮人により本国南朝鮮の意向も受け日本は侵略されかかっているのです。」等、露骨なヘイト・スピーチを売りにした、典型的な「ヘイト本」です。
「排外主義とヘイトスピーチに加担しない出版関係者の会」(https://www.facebook.com/antifapublishing)の問題提起により、「ヘイト本」がいかに社会をむしばんでいるか、議論が始まっています。私の意見では「ヘイト本」の多くは同時に「デマ本」であり、基礎的な事実を蔑ろにすることによってのみ成立するのです。「ヘイト本」の筆者もそれを発行する出版社も、本に書かれたことが「真実」であるか否かを全く気にかけることがありません。私は、そのことを、井上氏と青林堂の態度から、はっきりさせることができたと思っています。
いまだ、井上太郎氏やその出版社が発行し続ける「ヘイト本」に影響され、排外主義とヘイトスピーチの虜になっている多くの人々(患者たち)がいます。私は、その人々に、この裁判の結果とその後の筆者たちの態度をよく御覧頂き、引き返すきっかけにして頂きたいと思っています。