1990年5月12日、栃木県足利市にあるパチンコ店の駐車場から女児(当時4歳)が行方不明になり、
翌朝渡良瀬川の河川敷で殺害された遺体で発見された足利事件。
事件から半年以上経った1990年12月、足利市に住む菅家利和氏が犯人として逮捕されました。
菅家氏は事件に全く身に覚えがありませんでしたが、警察の厳しい取り調べに耐えきれずに虚偽の自白をするように追い込まれ、起訴。
刑事裁判では無実を訴えて最高裁まで争いましたが、2000年7月17日には無期懲役判決が確定しました。
その後、みなさんもご存じのとおり2009年5月に遺留物のDNAの再鑑定によりDNA型が菅家氏のものと一致しないことが判明し、
服役中だった菅家氏はただちに釈放され、その後の最新で無罪が確定しました。
しかし、菅家氏の失われた20年間を取り戻すことはもはや不可能です。
菅家氏は、釈放後の記者会見で、当時の取り調べ状況に対し、
刑事たちの責めがひどかったです。
「証拠はあがってるんだ、お前がやったんだろう」とか
「早く吐いて楽になれ」と言われました。
私は、終始無罪を主張していましたが、受け付けてもらえず、
「お前がやったんだろう」と同じ事の繰り返しでした
と述べています。
えん罪の原因は、密室で行われる強引な取り調べ、自白の強要でした。
えん罪の原因となる虚偽の自白をなくすためには、
取り調べの状況を全面的に録音・録画する「取り調べの可視化」が不可欠です。
横浜弁護士会では、2011年1月30日に行われる「弁護士フェスタin KANAGAWA」に菅家利和氏らをゲストに迎え、
以下のとおりミニシンポジウムを開催します。
みなさん、ぜひご参加下さい。
*私と神原弁護士が、横浜弁護士会刑事弁護センター運営委員会のメンバーとして当日の司会進行、コーディネーターを務めます。
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弁護士フェスタ in KANAGAWA ミニシンポジウム
「取調過程の全面可視化を目指して~足利事件に学ぶ」
●日 時:2011年1月30日(日) 11時~13時
●場 所:横浜市開港記念会館2階9号室
●参加費無料(定員63名、先着順)
【プログラム】
1、私はなぜ自白に追い込まれたのか
菅家利和氏(足利事件 元被告人)
泉澤章弁護士(足利事件弁護団、東京弁護士会)
2、取り調べの可視化~イギリス調査団報告
森直也弁護士(日弁連取調べの可視化実現本部委員、大阪弁護士会)
*お問い合わせは横浜弁護士会(電話:045-211-7707)まで
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チラシのPDFはこちら>>「取調過程の全面可視化を目指して~足利事件に学ぶ」