ドラマ「シングルマザーズ」をみて

幼稚園児の息子の手を引いて必死の形相で自宅から逃げ出す母親(女優の沢口靖子さん演じる主人公)に目を引かれて、思わず見はじめたNHKの新ドラマ「シングルマザーズ」。

経済的には恵まれていそうな家庭の主婦が、夫のDV(家庭内暴力・ドメスティックバイオレンス)から逃げるために、着の身着のまま子どもを連れて逃げ出すというストーリーなのですが、夫によるDVのシーン、逃げたあとも夫が追いかけてくるのではと恐怖に怯え、フラッシュバックに苦しむシーンなど、とてもリアルで見入ってしまいました。

主人公は、シェルターに避難して保護されるのですが、夫が自分を探し回っていることを知り、安全であるはずのシェルターからも逃げ出してしまいます。
私は、そのシーンをみて「ああ、ダメ!危ないよ、シェルターから出ちゃダメ!」と画面の主人公に向かって思わず声をかけてしまいましたが・・・

無職の子連れ女性が借りられるアパートを探すのも、一苦労。正社員の仕事は見つからず、時給850円の飲食店でのアルバイトでは生活費が足りずに、土日も仕事を掛け持ち。
ドラマの主人公に限らず、夫と離婚や別居をした女性が、子どもを育てながら生活していくことは本当に大変です。
そんななか、主人公は他のシングルマザーたちと出会い、助けられながら、息子と二人での新生活をスタート。これから、どんな困難が待ち受けているのか・・・続きが気になります。

さて、ドラマを見ながら、やはり弁護士としては、
夫との離婚手続きはどうするのだろう?
保険や年金、子どもの手当などの手続きはどうしているのだろう?
ということが気になります。
夫からのDVの事案なので、まずは身の安全確保が第一です。
そのため、住民票を移したり、夫と同じ健康保険を使って医療機関を受診したりして居場所が知れることを避けなければなりません。
親族や知人から情報が漏れてしまうこともあるので、
以前の交友関係は一旦断ち切ることも必要です。
まさに孤立無援状態。

こんなとき、行政の相談窓口に相談をすれば、
必要な支援や弁護士の紹介などが受けられるのですが、
残念ながら、ドラマではそのような展開にはなりません。

「こんなとき弁護士に相談してほしいなぁ」と思いつつ、
他方で、逃げてきて明日の生活もわからないというときに、
弁護士に相談、というのも相当ハードルが高いのだろうと
思いました。
やはり、まずは身近な行政の相談窓口を充実させ、
そこから必要な支援につなげていく取り組みが重要ですね。

川崎市にも、女性相談員による相談など各種相談窓口が設置されています。
http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/ikirusasaeru/dat/kanagawa/kawasakisi.html

神奈川県では、「かながわ女性センター」で総合相談を行っています。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f41205/p2524.html

もちろん直接弁護士にご相談いただいても大丈夫です!

困難な状況で苦しんでいる女性が、必要な支援を受けられることを願ってやみません。

NHKのホームページによると、
「夫のもとから逃れ、息子を連れて家を出た主人公。住む場所も職も見つからず途方に暮れるなか、手助けしてくれたのは先輩シングルマザーたちだった。社会のさまざまなハードルを乗り越えながら、母も子も成長して行く。やがて「児童扶養手当」の削減という大きなハードルが立ち塞がる。そのとき、シングルマザーたちは国会の前に立っていた……。」
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/22000/127897.html

ということで、なんと国会まで出てくるとのこと。
いずれ弁護士も登場するのではないかと期待し、来週も続きをみたいと思います。


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