穂積弁護士の事件ノートでもお伝えしていたJFEスチール・共和物産 多重偽装請負・不当解雇事件について、本日和解が成立しました。
=======以下、声明文です(速報)=======
この度、JFEスチール・共和物産不当解雇争議は2011年11月1日、横浜地裁川崎支部(福島節男裁判長)において、原告団、被告JFEスチール及び被告共和物産との間で訴訟上の和解が成立し、解決いたしました。
この間、職場復帰にむけて、皆様の日頃からのご支援に、心からお礼申しあげます。
本争議は2009年3月末に「ロッカーを整理してカギと通門証を置いて帰れ」と解雇通告書もなしに、いきなり口頭で「契約社員」が即日解雇されて始まったものです。
解雇後に明らかになったことは、10年前後働いていた「契約社員」のうち、解雇されたのは全て組合員であり、組合員以外の契約社員は雇用が継続されたことです。共和物産の組合嫌悪による狙い撃ち解雇であり、明らかに不当労働行為です。その内2名がJFEスチールの偽装請負で働いていたことも明らかになりました。
日本を代表する鉄鋼メーカーであるJFEスチールが儲けの為に、下請である共和物産に偽装請負をさせ、一時的な減産に対しては、労働者を紙切れの如く切り捨てる、また、共和物産の反社会的な解雇の仕方は、到底許されるものでないことは明らかでした。
川崎労連、川崎地域合同労組、JFEスチール・共和物産の無法とたたかう仲間を励ます会、弁護団は「JFEスチール・共和物産不当解雇撤回闘争支援対策会議」を結成し、JFE・共和物産への本社要請、メインバンクであるみずほコーポレート銀行、JFE株主総会、日本鉄鋼連盟、JFEの役員宅等へ要請、JR川崎駅頭宣伝、JFE門前宣伝など、法廷闘争だけではなく、被告企業を社会的に包囲する闘争の強化をすすめてきました。
また、JFEスチール構内で働く仲間たちが、「JFEスチール・共和物産の無法とたたかう仲間を励ます会」を結成し、JFE構内で働く多くの労働者から力強い支援と激励が寄せられました。こうしてたたかいが大きく広がるなかで、6月に入り共和物産から裁判所へ和解の申し入れがありました。そしてその月のJFE株主総会で馬田社長は、「裁判所の指揮のもと早期解決をしたい」と表明するに至り、和解協議を含め、たたかいが新たな段階にすすみました。
こうして、2009年7月31日の提訴から2011年11月1日調印まで10回の公判と8回の和解協議を経て、原告4人全員が職場復帰という画期的な和解を勝ち取ることができました。
今、2008年のリーマンショックを口実にした「非正規」切りにより職を奪われた労働者が、大企業に解雇撤回と直接雇用を求めて各地で大変な思いをして闘っています。私たちの闘いは、全国でたたかっている多くの仲間たちに勇気と希望を与え、励ましになるとともに、大企業や裁判所に対しても、公平で公正な解決の指針を与えるものであると確信するものです。
原告一同、労働法制の改悪と闘い、労働者の権利を守り、安心して働き続けられるために、これからも闘う所存です。
これまでJFEスチール・共和物産争議に、惜しみないご支援と激励を寄せ、共に闘ってきた仲間の皆様に感謝の意を表し解決に際しての声明とします。
2011年11月1日
JFEスチール・共和物産不当解雇撤回闘争支援対策会議
JFEスチール・共和物産不当解雇撤回闘争原告団、同弁護団
川崎労働組合総連合・川崎地域合同労働組合